出石町現地報告

神戸大学水害救援ネット じゅうたん

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出石町 2004年10月24日 活動報告

日時: 10月24日(日)

  • 神戸・阪急六甲駅前発
  • 6:15
  • 出石町役場着
  • 9:30
  • 同町内の片間地区で作業開始
  • 10:00
  • 片間地区撤収
  • 17:30
  • 出石町発
  • 6:15
  • 神戸到着
  • 22:30(中途休憩をはさむ)
活動メンバー:山崎裕右、天野寛巳、村川奈津美
活動現場:出石町片間地区
装 備:長靴・軍手・ばけつ・スコップ・上下つなぎを人数分。タオルと防塵マスク

■出石町の被害状況

 出石町の人口は11,327人(2004年現在、推計人口)。今回の台風23号による被害状況は次の通り。死者2名、重傷1名。全半壊世帯については調査中につき不明。床上浸水186棟、床下浸水148棟(10月25日20:00、兵庫県発表資料による)。

■活動現場

 出石町片間地区。出石町の北西部に位置し、国道482号線に面する、里山麓の神社を中心とした集落。出石川西岸の決壊により冠水した(冠水時の写真)。482号線を含む、周辺道路の被害のため、孤立が続いていた。昨日(23日)にようやく水が引き、とのこと。ボランティアの受け入れ初日。消防・警察や農協による被害状況の確認も本日(24日)から始まったところとのこと。住民の復旧作業への着手も、本格化したのは本日からとなるようである。じゅうたんメンバーは、民家内の清掃・家財の運び出しの作業、および集落で発生した、破損した家電製品と畳の回収作業に従事した。

■交通事情■

 神戸市灘区を6:15に自動車(ワゴン)にて出発。神戸三田ICから中国自動車道に入り、途中で播但連絡道路へ、和田山ICに8:00に着。日高町内でも冠水している様子を見ながら、482号線を利用して出石町に入ろうとするも、途中で通行止めのため、豊中市上中の里あたりの交差点で北上し迂回、国道426号線を通り、出石町に入る。出石町の鳥居橋交差点付近で決壊現場を目撃した。鳥居橋付近の堤防(西岸)が決壊し、出石町の北西部が水没したのであろう。その後南下するも、426号線も通行止めになり、裏道を通って出石町役場に到着したのが9:30となる。川沿いの国道426号線をのぞき、辰鼓楼などの観光名所がある出石町中心部の被害は軽微。出石町役場も被害はない模様。

■役場から被災現場まで

 出石町役場に到着後、「ボランティアはこちら」という矢印に従い歩く。ボランティアセンターの受付は長机が3つほど。消毒場などもなく、こじんまりとした様子。外部のコーディネーターなどは入っていない模様。受付開始の8:30より1時間遅れて到着したからかもしれないが、多数のボランティアが押しかけている様子もなく、新潟・福井の現場に比べて閑散とした印象を受けた。
 「出石町」の腕章をつけた役場の人から片間地区に向うように指示を受ける。経路を示した地図をもらい(通行できない場所が多数あるため、迂回経路が示されていた)乗ってきた車で向った。小坂橋で出石川を南に渡ると、冠水した地域に入る。道がデコボコして走りにくい。アスファルトで舗装されていた道の上に、泥が全面に覆いかぶさっているのだ。乾いた泥がひび割れて、デコボコしている。途中で小坂小学校前を通る。水没していたようで、校庭はぬかるんでいる。ボランティアらしき人々も多数いた。消防車や、そのほかの車輌が多く校庭に停まっていた。
 小学校のところで、行きしに通行止めであった国道426号線に、逆の方向から入ることになった。道の北側に土砂が積んであり、幅は狭くなっている。山際の崩落現場につきあたると、そこが片間地区であった。この時点で10:00。道端の広くなっている場所に車を停める。ボランティア以外に、住民の方も水没を免れた車を多数停めているようだ。そこから北に坂道を下り、公民館まで行く。坂の上のほうの家屋は被害を免れたようだが、下るにつれ、水没したとおぼしき家屋があらわれる。

■公民館でのコーディネイト

 公民館に到着。ここも水没したようだ。腕章をつけ作業服を着た役場の職員2名と、ジャージを着た区長さんが現場を取り仕切っていた。「3人ですか、これで29人です」とのことで、遅れてきた我々の到着により、片間地区の本日のボランティアは29名となったようだ。職員からボランティアをするにあたっての注意事項を仰ぐ。主に以下の3点。

  1. 作業する民家内のものは、すべて個人財産であるので、勝手に処分せず、すべて家の人の指示を仰ぐように。
  2. トイレは、そのお宅で許可を得てから使うように。使用不可の場合は公民館の仮設トイレを使用すること。
  3. なによりも、ケガをしないように注意すること。

 公民館前に、地区の住民の方もおり、その場で直接に区長と職員が、どれぐらい人手が必要かを住民に確認しながら、ボランティアの派遣先と人数を決定していた。我々も、和田山から来た男性と、出石町内の女性とともに、5名のチームを組んで、民家内の作業に従事することとなった。

■午前中の作業

 作業に従事した民家には、夫婦と姉妹2名がいらっしゃった。旦那さんは、バスの運転手の仕事をしており、我々が神戸市灘区から来たというと、昔は六甲の営業所によく行っていたという話をしてくださった。家の中は、畳が上げられ、床板がはずさられていた。床下には泥がつまっていた。途中でやってきた農協の調査員の話を横で聞いていると、この家では地面から232cmの高さまで冠水したとのこと。家人の表現では「2階のギリギリまで水に漬かった」とのことであった。
 作業内容は、畳や家財道具を運び出すというもの。水でしめって空きにくくなったタンスをこじ開け、中のものを取り出し、家人に必要なものを確認する作業もあった。電気は通っていなかったが、作業中に関西電力の職員がやってきて、何かしらの作業を行っていたので、その後に復旧したかもしれない。電話だけは使えるようで、泥だらけの電話が鳴り、旦那さんが頻繁に対応していた。
 上水道は問題がないようで、食器洗いなどに使い、トイレも使用させていただけた。ガスについては不明。
 家人や周囲の話では、片間地区は昨日(23日)まで水が引かず、孤立しており、今日からようやく復旧作業に取り掛かれるようになったようだ。12:00になると、区長さんが「ボランティアの方は、昼ごはんですから、公民館に集まってください」と呼びに来た。公民館にまで行く道すがら、被災者への炊き出しも行っているのを見た。我々は公民館で、おにぎり2つと、さつまいもの天ぷら・玉子焼き・白菜の胡麻和え・沢庵のおかず、それに500mlのペットボトルのお茶を受け取り、公民館のすぐ裏の神社の階段で座っていただいた。

■午後の作業

 いただいた昼食を終え、13:00に公民館に戻ると、既にボランティアが集まり、役場の職員の指示を受けていた。男手は作業内容が午前中と変わる。たまたまその場で、角スコップを持っていた男手は、ブルドーザーが除去した後の、残りの土砂を片付ける作業に従事することになったようである。我々は、スコップを作業していた民家に置いて来ていたので取りに戻ろうとすると、「いや、今ないなら、別の作業もあるから」と、土砂の作業にはまわされないこととなった。
 我々の中の男手(山崎・天野)は、角スコップを持っていなかった他の男手とともに、ダンプカー2台に分譲し、集落内の使えなくなった家電(冷蔵庫・TV・洗濯機・エアコン)を回収し、ダンプに載せる作業を行うことになった。回収した家電は、午前中に作業していた民家のすぐ裏の空地に集積する。載せるときは人手で、降ろすときは、ブルドーザーのシャベルに載せて、廃棄する。
 家電の回収作業は1時間くらいで終わる。その後は、水につかってダメになった畳を回収し、集落からやや離れた畑の中に廃棄する作業を行った。これは廃棄場所まですべて人力で行うため、少々キツイ。畳からはイ草の腐った独特のにおいがした。
 女手(村川)は、午前中の民家で引き続き作業をした。午前中に大きな家財道具の運び出しは終了していたため、床板の泥を落とす作業などを行った。立派な仏壇を解体し、清掃する作業も行った。仏壇の周辺には、泥が高く積もっていた。壁土が落ちたものではなく、外から入り込んだ泥である。
 16:15になると、区長さんが作業の終了を告げに来た。その後、許可を得て、神戸での報告のために、作業を行った民家や集落の写真を撮影する。撮影のため、やや遅れて公民館に到着すると、区長さんと職員に大変丁寧なお礼を何度もいただいた。駐車場に歩いてもどり、車に乗り込んだ後「はて、一回、出石町役場に戻るんだったかな」と思い、公民館に引き返す。その場にいた人に聞くと、きっと戻ったほうが良いとのことで、出石町役場に向う。しかし、17:30に役場に着くと「あれ、お疲れさま。そのまま引き返しても、良かったのに」ということであった。17:50、神戸の藤室(「じゅうたん」スタッフ)に携帯電話で報告して帰路についた。帰路では、最後に区長さんから「帰りは、温泉にでもつかって、 ゆっくり休んでください」といわれた言葉に甘え、被災住民の苦境を思いながら、途中で見つけた温泉につかり泥を落とした。

■所感

 片間地区では、2m以上冠水し、前日まで孤立していたという状況だけに、まだまだ人手が必要な作業はあるようである。家財道具の片付けや、床下の泥だしなどはまだまだ続きそうだ。新潟や福井の水害にくらべ、ボランティアの人手も少ないようであるから、なおさらである。ボランティアの活動期間は27日(水)までとなっていたが、期間は延長されるのではないか(管理者注※25日夜の時点で、出石町ホームページによると、当初27日であったボランティアの活動期限が、31日[日]まで延長されました)。区長さんや、作業した民家の家人などは、極めて明るくふるまってくださったが、作業の長期化による今後の疲労が心配である。(報告:山崎・村川)

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